【惑星直列】
太陽を回る惑星が太陽に向かってほぼ一直線に並ぶ現象。

【ぼっち直列】
皇居を回るぼっちが皇居に向かってほぼ一直線に並ぶ現象。

***

皇居を回るぼっち達。
スタート時間が違ってしまえば、出会える確立は低くなる。

しかし、惑星ムキぼっちの公転速度は速かった。
周回遅れのぼっち達に追いつき、遂にその瞬間は訪れた。

奇跡のぼっち直列!

3人のぼっちが一直線に並んだ。

早朝の天体ショー。
わずか数秒だったが、見事な直列を描いた。

惑星ムキぼっちは再び公転速度を上げ、銀河系の彼方に消えていった。
次に会えるのはいつになるのだろうか。

残された2人のぼっち惑星。
引力が働いていたのか、その後も離れる事はなかった。
まるで地球と月のように。

***

そういえばこんな事があった。
走り出した時は僕が外側にいて、グローバルボッチは内側にいた。
1キロ位走ったところで突然、

「インにどうぞ!」

と言われた。
何の前触れもなく、ほんと突然。

危険ドラッグをやって突っ込んでくる車から僕を守るため。

そう思った。

でもまさかこんな思惑があったとは。

ちなみに、あの写真に写っている項目。
何一つ話題に上ってねぇ!
メモ無くても一つくらい覚えててよー。

ぎこちないながらも、言葉のキャッチボールを繰り広げるぼっち達。
ボールは時に相手まで届かなかったり、時に予期せぬ変化球だったりした。

4周めの終わり、もうすぐ20キロって頃かな。

「あと1周してから、その後の事は考えますか。」

なんてボールが隣のぼっちから放たれた。

あと1周。

つまりは25キロは確実に走るって事だ。
だが30キロ走るかどうかは、その時の様子で考えようって事なんだろう。

なるほどね。

僕はそのボールを何とか受け止め、

「そうしましょう。」

と無難に投げ返した。

***

社会人になりたての頃。
先輩の商談についていく事が多かった。

「あのクライント、食いつき良かったですね!」

と僕が言うと、

「ばーか。本当に良かったらその場で決めてくれるんだよ。1週間考えさせてくれなんて、乗り気じゃないって事だ。」

その先輩はそんなような事を言った。
結局、1週間考えた結果はNOだった。

『乗り気だったら、その場で決める。』

その言葉は、社会人生活20年を超えた今でも、頭の片隅に座右の銘の如く鎮座している。

『1周回ってから考えよう。』

考えるまでもない。
答えはもう出ているのだ。

***

5周目に入った。
既に結果が出ている消化試合になってしまうのか。

確かに隣にいるぼっちのトリカラ好きや、超絶人見知りはビジネスかもしれない。
延いては僕の下ネタ好きさえも、ビジネスかもしれない。

でもさぁ。
ぼっち練は違うんだよ。
ビジネスじゃないんだよ!

根底にあるのは、ヒューマニズム。

この1周で奇跡が起きるかもしれないじゃないか。

そう、あのぼっち直列のように。
 
 
5周目の奇跡。
それは思わぬ形で目の当たりにする事になった。

 
 
 
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