42個のトークネタが記されているという、キクチメモ。
あっ、違ったボッチメモ。

皇居の藻屑と消えたようだが、その行方が気になる。
 
 
親切なランナーが拾う。

警察に届ける。

『むむ。怪しい。犯罪の臭いがする。』ってなる。

警視庁サイバー犯罪対策課に調査を依頼。

メモのキーワードから怪しいブログを発見!

『間違いない。こいつクロだ!』ってなる。

僕の身元がバレる。

会社に警察が踏み込んでくる。

慌てた僕は窓を突き破って飛び降りる。

ムキボッチが操縦するヘリコプターから垂れ下がる梯子につかまる。

『とっつぁーん、またな~!』と間一髪で逃げる。

上司が警察に『あいつ、何かしたんですか。』とたずねる。

警察『盗みですよ。』

上司『盗み!?一体何を盗んだのですか?』

警察『奴はとんでもないものを盗んでいきました。 ぼっちの心です。』
 
 
なんて事にならなきゃいいけど。

***

まあ、ボッチメモが無くてもそれなりの会話は交わせた。
中でも僕が一番食いついたのは、ダーハダカおじさんについてだった。
恐らく、トータル会話時間の3分の1は占めていたと思う。

「ダーハダカおじさんは毎日走ってるんですか?」

「ダーハダカおじさんは1日中走ってるんですか?」

「ダーハダカおじさんはレースには出ないんですか?」

「ダーハダカおじさんの行動範囲は実は100メートル位なんじゃないですか?」

「ダーハダカおじさんの職業は走ることですか?」

僕が浴びせる質問攻撃に対し、隣のぼっちは

「知らねーよ。俺はダーハダカおじさんのマネージャーじゃねーんだよ!」

なんてキレる事もなく、ダーハダカおじさんについて持っている知識を惜しげもなく開陳してくれた。

お陰で、ダーハダカおじさんを身近に感じる事ができた。
それだけでもぼっち練をやって良かったと思った。

そんな矢先だった。
5周目も3キロほど走っただろうか。
疲れもピークに達していた。

桜田門を過ぎた時に、背後からゴォォォという轟音が聞こえてきたのだ。

***

も、もしかして!?

轟音は一瞬で僕らの横を通り過ぎ、振り向く間も無く去っていった。

その後姿はムキボッチでは無く、上半身ハダカの男だった。

「あ、あれ、まさかダーハダカおじさんですか?」

僕は興奮気味に隣のぼっちにたずねた。
ダーハダカおじさんまで、ぼっち練に参加かと思った。

「残念ながら違います。」

と隣のぼっち。

よく見ると、男はハダカかと思ったらTシャツを捲り上げていた。

もしTシャツに乳首を隠すという機能を求めるならば、残念ながらその男のTシャツは全く機能していなかった。

Tシャツで隠れていたのは肩の部分だけ。
それ程大胆に捲り上げられていた。

何故。

隣のぼっちと出した結論は、【羞恥プレイ】だった。

そびえ立つビルの屋上から、ゴルゴ13のようにライフルのスコープで男を監視し、

「ほら、もっと早く走れ!もっとTシャツを捲くれ!」

と無線で指示を飛ばしているはずだ。

なんちゃってダーハダカおじさんはもの凄いスピードで駆け抜け、あっという間に見えなくなった。

そのなんちゃってダーハダカおじさんは、僕からとんでもないものを盗んでいった。
 
 
そう、『30キロ走りたいという気持ち』を。
 
 
 
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