チューチュートレインの車掌から、このタイトルで書けと指示があった。

いや、うそうそ。
勝手にそう思っただけ。
 
 
***

俺の名前は、東条真良雄。
しがない中年サラリーマンだ。

ガキの頃から、『東真良(トーマラ)』って呼ばれている。
俺はこう呼ばれるのが大嫌いだった。

だった。

そう過去形だ。
最近はこの呼び方も、結構気に入っている。

いつからかな。
東京マラソンが始まった頃からだろうか。

東京マラソン。
略して、『東マラ』なんて呼ぶ人も多い。

近頃は若いチャンネーまでもが、

「東マラいいね!」

「東マラ最高!」

「東マラ大好き!」

「あーん、東マラー!」

なんて叫んでる。

悪い気はしない。
 
 
***

こんな俺だが、一応走っている。
なんちゃってのヘッポコランナーだが、たまには大会に出たりしている。

東マラにも4回ほど申し込んでいる。
しかし、1回も抽選に当たった事はない。

今年ももちろん出る事はできなかった。

日曜日。
東京マラソン2015が行われた。

走れない俺は、仕事を入れた。

『走れないのに、応援して何が楽しい。』

そう思った俺は、応援に行く気なんてさらさらなかった。
 
 
***

いつもと何も変わらぬ朝。
会社へ向かった。
 
 
 

おはようございます!
おはようございます!

 
 
 
しまった!今日は燃えるゴミの日だった!
いけねー!今日は燃えるゴミの日だった!

 
 
 
職場に着いて仕事を始めたが、何となく落ちつかなかった。
時計を見ながらソワソワしていた。

いかん、いかん。
集中だ。

そう思っても、なかなか集中できなかった。

『9時半か。もうスタートしてるな。』

気がつくとコートを片手に、エレベーターに乗っていた。
ちなみにエレベーターの前にはモニターが付いていて、中の様子が映し出される。
 
 

 
 
目撃されたかな。
 
 
***

職場から20分ほど歩くと、内堀通りに出る。
沢山のランナーが走っていた。

声援を送ると、多くのランナーが応えてくれた。

いつの間にか、俺は夢中で応援していた。

声援を送りながらウロウロしていると、奇妙な一団が目に入ってきた。

その中の、黄色い被り物をした男性が叫んでいた。

「そこの人、一緒に回ろうよ!」

それに呼応するように、

「ねえ。回りましょう!楽しいわよ!」

同じような被り物をした女性も叫んでいた。
 
 
回る?
マラソンの応援で?

一体この人たちは、何を言っているんだ。

俺は吸い寄せられるように、奇妙な一団に近づいて行った。
 
 
5分後。
俺は回っていた。

ぐるぐる回っていた。

チューチューやっていた。
 
 
 
 
chu-chu
 
 
 
いつまでも回った。
 
 
いつまでも。
 
 
いつまでも。
 
 
いつまでも。
 
 
 
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