『かっしー』と言えば、柏原竜二を思い浮かべる方も多いかもしれない。
特に、走る事を趣味にしている人においては。

僕の場合『かっしー』と言えばやっぱり、柏原芳恵。
もちろん、一度たりとも柏原芳恵を『かっしー』と呼んだ事などないけれど。

柏原芳恵の代表曲『春なのに』。

なんとも切なくて、いい歌ですよね。

作詞・作曲が中島みゆきという事で、納得。

いやはや。

春なのに、
春なのに、
ため息またひとつ。
 
 
なんて方も多いのでは。
 
 
***
 
 
「ふぅ。」
 
 
 
ここにも、春なのに大きなため息を漏らす男がいた。

会社の後輩B。
昨日の夕方、僕の席に来ていきなりため息をついた。

存在に気付いたが、特に話かけられなかったので無視していた。
仕事も忙しかったし。

数秒後。
 
 
「ふぅぅ。」
 
 
さっきよりも大きなため息。

いや。
ため息というより、明らかに「ふぅぅ。」と発音していた。

僕は尚も無視した。

きっと、「どうしたの?」と言ってもらいたいに違いない。

普段なら相手をしてやるが、その余裕がなかった。
かまってちゃんの相手をしている暇は無かった。

諦めて引き下がるかなぁと思ったら。

「やれやれ。」

と、後輩。
 
 
僕は観念して、

「どうしたの?」

と声をかけてしまった。
 
 
***
 
 
どうやら悩みがあるらしかった。

後輩Bが僕に相談するといえば、大抵は女性関係。
 
 
彼女が好きすぎて、生きるのがしんどい。

とか、

なんとなく、彼女にうざがられてる気がする。

とか、

彼女にラインを既読スルーされた。

とか、

彼女に距離を置きましょうと言われた。

とか、

42.195Kmはとてつもなく長い距離だけど、心の距離に比べたら短いですね。
 
 
 
などなど。

またそんな類の話かなぁと思いきや、違った。
 
 
***
 
 
なんと、珍しく仕事の話だった。

後輩Bは新卒で今の会社に入った。
30歳も超えると、同期入社でも差が生じてくる。

出世する人。
しない人。

後輩も今春の人事異動で、ある肩書きが付いた。
同期入社の中では早い方だ。

肩書きもついて、やる気に満ちている。
それはそれで、良いのだが。
他の同期とどう接していいか、わからないらしい。
 
 
「変わらず接すればいいんじゃないの。」

と、ありふれたアドバイスをすると

「ありがとうございます!」

そう言って後輩は、戻っていった。

僕に話すことですっきりしたのか、笑顔だった。
 
 
***
 
 
待てよ。
そんな事でため息なんてつくようなやつじゃない。
 
 
そう言えば、後輩B。
先月、新しい彼女ができたと言っていた。

あのため息。
本当は恋煩いによるものだったりして。

それを聞いて欲しかったけど、僕が素っ気無かったから遠慮したのかな。
 
 
「やれやれ。」
 
 
僕は大きなため息をついて、仕事を再開した。
 
 
春はやっぱり、ため息が多くなる。
 
 
 
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