「えーと、名前はキクチヒロシでお願いします。

あっ、片仮名でキクチヒロシです。」
 
 
***
 
 
夜のぼっち練前夜。

風呂上りの俺は、ビールを飲みながら半裸で電話をかけていた。
裸で過ごすのに快適な季節となってきた。

電話の相手は、ぼっち練会場となるお店の担当者(女性)。

電話の内容は、サプライズ企画の打ち合わせ。

しかし、断言する。
サプライズはない!

なんて書いておきながら。

ちなみに。
半裸は上なのか下なのか。

それは想像にお任せする。

って、誰も想像しねーよ!
 
 
***
 
 
「いえいえ、ヒロシだけじゃなくてキクチも片仮名です。

そうですそうです。キクチヒロシ、オール片仮名っす。」

担当者と弾む会話。
女性とこんなに電話で会話するのは、いつ以来だろうか。
 
 
「名前だけじゃなくて、数字も入れられる?」
 
 
さり気なくタメ口にしてみた。
相手も満更でない様子。

男女において、タメ口に切り替えるタイミングは難しい。
第一関門クリアか。
 
 
「えーとねぇ。42てん・・・。

いやいや42歳じゃないよ。確か41歳。

42の後に、点195って入れて欲しいの。点は小数点みたいな感じで。

42歳と195日って、それ誕生日から半年以上経ってるじゃん(笑)」
 
 
悪くない流れ。

俺はトム・ハンクスとメグ・ライアン主演の映画『めぐり逢えたら』を思い出していた。
 
 
***
 
 
「42点195って年齢じゃなくて、マラソンの距離。フルマラソンの。

そう、キクチさんはマラソンやってるからさ。それにちなんで。

ところでマラソンとか好き?

あっ、興味ない。そっかぁ。」
 
 
時にフレンドリー。
時にビジネスライク。

そんなツンデレ担当者との打ち合わせは、佳境に入った。
 
 
「出してくれるタイミングってあるの?

阿波踊りが終わった後に名前を呼んで、ステージにあげる?

おお!

それから、キクチさんのためだけに歌って踊る!?

いいね!」
 
 
名残惜しかったが、担当者と打ち合わせを終え電話を切った。
 
 
「またね!」
 
 
もちろん、それに対する返事はなかった。
 
 
***
 
 
当日。

2回目の阿波踊りタイムが終了。

踊り手の代表者が名前を呼んだ。

「キクチさーん、キクチヒロシさーん。前に出てください。」
 
 
状況を理解できていないキクチさん。

それともジャクってるのか。

周りの人に促されて、ようやくステージに上がった。

ハッピーバスデーの曲をアレンジした阿波踊り。
キクチさんのためだけに、歌って踊ってくれた。
 
 
キクチさんはきっと阿波踊りを踊らない。

それは予想できた。
 
 
 
でも。

これならどうだ。
 
 
 

(ワタナベさん、写真パクリました)
 
 
 
***
 
 
そうそう。
電話で話した担当の方とは、帰り際にしっかり握手しておきました!
 
 
 
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