人生の壁にぶつかった時、人は何を思うのか。
そしてそれを乗り越えた時、人はどうなるのか。

シリーズ『イッた瞬間』。

今回は15年ぶりに風俗を訪れたという、都内在住の40代男性(Tさん)にロングインタビューを試みた。

決して、これのパクリではない。
 
 
***
 
 
6月某日。
土曜日の早朝。
とある河川敷にTさんはいた。
 
 

‐‐お休みの日なのに、随分朝早いですね。

「うん。まあね。普段はもうちょっと遅いんだけどね。
ほら、今日はイベントだからさ。興奮して早起きしちゃった。」

‐‐インタビュー中のお写真を掲載したいのですが、大丈夫ですか。

「え、なに、写真載せるの?いいけどさぁ。
ボカシっつーの。あれは入れといてね。
俺にも生活ってーのがあるからさ。」
 
 
そう言いながらTさんは写真撮影に気さくに応じてくれた。


 
 
 
***
 
 
‐‐早速ですが、Tさん。

「ちょ、ちょっと待って。Tさんって何だかよそよそしくない?
もっとさぁ、フレンドリーにきてよ。」

‐‐では何と呼べば。

「キョンシーでいいよ。似てね?俺似てね?
キョンシーにさ。似てなくね?」

‐‐じゃあキョンシーさん。いつもこんな格好を?

「さっき言ったじゃん。今日はイベントだって。
ねぇ、言ったよね。俺言ったよね。」

‐‐言ってましたね。何のイベントなんですか。

「マラソン。ここでさマラソン大会があんの。
ウルトラマラソンって知ってる?
長げーの。すっげぇ長げーの。距離がさ。
100キロとか60キロ走るの。バカだよねぇ。
まあ、嫌いじゃないけどね。
わかんのよ、気持ちが。
こう見えて俺も走ってからさ。
走ってる時はキョンシーが欲しくなんのよ。
わかっちゃうの。俺も走ってからさ。」

‐‐それでキョンシーの格好をされて応援ってわけなんですね。

「そういう事。普通に考えたら変だよね。
なんでキョンシーがいるんだよ。
なんでキョンシーに応援されなきゃいけないんだよ。
ってなるよね。
でもやっぱキョンシーを欲しちゃうんだよなぁ。
わかるのよ。俺も走ってからさ。」

‐‐ただ単にキョンシーの格好がしたかっただけでは。

「あー、それ言っちゃう。
やっぱトーシローはそうなんだよなぁ。
トーシロー。素人の事ね。
実際走ってみればわかるから。
ここでキョンシーに会えたらなぁっていうポイントが絶対あっから。
やっぱわかるんだよねぇ。俺も走ってからさ。」
 
 
***
 
 
‐‐なるほど。ではそろそろ本題へ。
先ほどトーシローという言葉が出てきましたが、先日ロープーのお姉さんがいるお店にいかれたとか。

「きたね。いきなりきたね。
俺の走りへの情熱はもういいの?
語っちゃうよ。
人はなぜ走るのか。
俺にとって走ることとは。
深イイ話の引き出しいっぱい持ってるよ。」

‐‐すみません。一応、アダルト雑誌なんで。

「だよね。だよね。
まったくもう、先走るなっつーの。
先走るのはカウパーだけにしとけってか。」

‐‐で、行ってきたんですよね。15年ぶりに。

「行ってきたのよ。
これがもう、聞くも涙。語るも涙よ。」

‐‐お一人で行かれたんですか。

「まさか!
15年ぶりだよ。
チキンな俺が行けるわけないじゃん。
あっ、ちょっと待てって。」
 
 
そう言って、Tさん、いやキョンシーは立ち上がり、
親子連れのそばに近寄って行った。
 
 

 
 
 
***
 
 
‐‐今の親子は。

「俺のファンかなぁ。
ちびっこに大人気だからさ。キョンシー。
目がキラキラ輝いてたでしょ、あの子。」

‐‐いえ、物凄く怯えてるようにしか。

「あれれ。
もしかして嫉妬してる?
俺の人気に嫉妬しちゃってるかな。」

‐‐いえ、全然。

「だよね。だよね。
まったくもう、先走るなっつーの。
先走るのはカウパーだけにしとけってか。」
 
 
 
なかなか進まないインタビュー。

次号に続く。
 
 
 
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