玄関を開けると明かりが自動でつく。

真っ暗な部屋に帰るよりはいいが、ただの気休めだ。

朝家を出た時と同じ状態で、スリッパが無造作に脱ぎ捨てられている。

部屋には誰もいない。

「ただいま!」

そんな言葉はもう何年も言ってない。

パンツ一丁になって冷蔵庫からビールを取り出す。

ソファーに腰をおろして、ゆっくりと目を閉じる。

パンツの中にそっと手を忍ばせてみる。

しばらく弄んだ後、ふと我に返る。

こんなんじゃ、寂しさなんて拭えやしない。

そして気づく。

パンツ一丁かと思ったら、靴下もはいてるじゃんか。

パンツと靴下って、パンツ一丁よりも格段に変態だな。
 
  
***
 
 
そんなフライデーナイト。

暇だと思われる後輩Bを誘った。

もちろんパンツ一丁への誘いではない。

土曜の午前中に皇居を一緒に走ろうと思ったのだ。

「すみません。明日は予定ありです。」

後輩からの返事。

なぬ!

絶対暇だと思ったのに。

「デート?」

念のため聞いてみた。

「いえ違います。友だちと皇居を走るんです。」

動揺。

焦り。

嫉妬。

何とも言えない感情が頭を渦巻いた。

何友だち?

男?

女?

色々聞きたかったが、我慢した。

そんな俺の心の中を見透かしたのか、後輩からメッセージがきた。

「友だちも一緒で良ければ、一緒に走りますか(笑)」

え!?
3Pのお誘い?

でも最後の(笑)はなによ。

俺にもプライドってもんがある。

「いや、邪魔しちゃ悪いから遠慮しとくよ。」

と返信した。
 
 
***
 

やれやれ。

俺はひとりぼっちか。
 
ソファーに腰をおろして、ゆっくりと目を閉じる。

パンツの中にそっと手を忍ばせてみる。

しばらく弄んだ後、ふと我に返る。

いや返らない。

なんだかんだで、寂しさは紛れるもんだな。

そして気づく。

パンツ一丁かと思ったら、まだ靴下はいてるじゃんか。

パンツと靴下って、パンツ一丁よりも格段に変態だな。
 
 
そして、 

誰もいない部屋で、俺はひとりごちた。
 
 
 
「おやすみ。」 
 
 
 
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