俺の名前は東条真良雄。
流しの料理人だ。

人は俺のことを包丁人真良雄、略して包真良なんて呼ぶ。

え!?
真良が包まれてるじゃんかって?

うるせー。
真の包茎じゃねぇ。
 
 
仮性だ・・・。
 
 
***
 
 
俺はブラックジャック的な生き方が性に合っている。
ひとつの店にずっといるのは好きじゃない。

店を転々として、気ままに料理を作る。
それが流しの料理人だ。

実は。
ある人から、新規にオープンするお店の料理長をやって欲しいと依頼された。

料理長なんて、俺の性分じゃない。
しかし、お世話になった人なんで一肌脱ぐことにした。

店の名前は、『東京マ・ラソン』。
『マ・メゾン』の姉妹店。

俺は信頼のおける料理人仲間を招集した。

忙しい中、皆集まってくれた。
 
 

 
 
左から、
俺。(得意料理は小籠包)
炎の料理人、赤井。(得意料理はエッグベネディクト)
オーナーの八巻さん。(元焼肉屋のオーナー)
フランスで修行した愛川。(得意料理はきんきの塩焼き)

みんなやり手の料理人だ。
 
 
昨日は東京マラソンの抽選があったらしい。
しかし料理人の俺たちには、そんなの関係ねぇ。
 
 
***
 
 
今日は店がオープンする日。

流しの俺たちに、終の棲家なんてない。
駅前のカプセルホテルに泊まった俺と赤井。

地下鉄で待ち合わせ場所に向かった。


 
 
「赤井、俺たち久々にタッグを組むな。なんかワクワクするぜ。」

「うん。でもちょっと緊張する。」

「ハハハハ。赤井は相変わらずだな。って、何やってるんだよ。」
 
 

 
 
「いやぁ、最近白髪が増えてきたなぁと思って。」

「赤井は最近オールばっかしてるから老けたんじゃないか。どれどれ、俺にも見せてくれよ。」

「東条は真っ白じゃねーか。」
 
 

 
 
「おいおい。料理人は見た目じゃないぞ。味で勝負しなきゃな。」

「あっオーナー、おはようございます。オーナーは完全に見た目勝負っすよね。」
 
 
***
 
 

 
 
「愛川さんも来たな。さあ店に行くとしよう。」
 
 

 
 
「んー!?東条はなんで座ってるんだ。オーナーのわしを差し置いて。」
 
 

 
 
「ところで。赤井が見てるの食べログでしょ?ねー、わしの店の評価どうよ。ねー。」

「まだオープン前だから載ってませんよ。」
 
 
***
 
 
「さてと、二手に別れて食材を買いに行こう。」

「え!今日オープンなのに、まだ食材揃ってないんですか?」

「そうじゃよ。」
 
 

 
 
「くそー。なんで食材を売ってくれないんだよ。ねぇ、オーナー。」

「お前の見た目が問題だろう。スーツにリュックは頂けないな。」

「スーツにハチマキはOKなんすか?」

「これはハチマキじゃなーい。ヘアバンドだ。」
 
 

 
 
「すいませーん、これください!」

「なんで、みんな無視するのよ。」

「見た目のせいかなぁ。」

「見た目?私たちペアルックだから?」
 
 

 
 
「どうだった?食材を調達できたか。」

「全然ダメでしたー。」

「しょうがない、あいつの店に食材を譲ってもらうか。」

「あいつって?」

「5つ星レストランのオーナーじゃ。」

「い、い、5つ星!?」
 
 
***
 
 
「あ、あれですか。5つ星レストランのオーナーって?」
 
 

 
 
「5つ星だから、星の格好・・・。」

「なんか・・・安易じゃね。」
 
 

 
 
「オーナー、なんか料理人が回ってますよ!」

「くそー。ミシュランの5つ星だからって調子に乗りやがって。」

「でも、なんか星がひとつ多いですよ。」

「ミシュランって星3つが最高だし。」

「よし、俺らも回るぞ!回転だ!」
 
 

 
 
「オーナーの店ってまさか。」

「そうだ!回転寿司じゃー!」

「でも、回るのは皿じゃなくて、俺らなんですね。」

「どうだ!斬新だろー。」
 
 
***
 
 
俺の名前は東条真良雄。
 
 

 
 
来年も『東京マ・ラソン』で、ひと暴れするぜ。
 
 
なあ、赤井。そうだろ?
 
 

 
 
 
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